9/17/2024
三宅坂総合法律事務所(三宅坂)が、学部3・4年生およびロースクール1・2年生向けにサマークラーク(サマクラ)を開催します。
三宅坂は、国内外の紛争解決、M&Aやコーポレント・ガバナンス、人事労務、ファイナンス、事業再生・倒産処理、国際取引を始めとして、さまざまな分野を扱う企業法務系の事務所で、1990年に設立され、現在約40名の弁護士が所属しています。
三宅坂のサマクラでは、法令・判例・文献のリサーチ、文書作成、弁護士との合議等の他、弁護士からその専門分野についてのレクチャーを受ける機会や、ランチミーティングで若手弁護士の仕事や生活を知る機会も設けられています。日当は1万円、別途交通費も支給されます。
サマクラに先立ち、三宅坂に所属する弁護士4名に、事務所の魅力やサマクラに参加する学生に伝えたいことを聞きました!
(ライター: Law School Timesライター、写真:諸井)
(提供:三宅坂総合法律事務所)
ーー入所当初の事務所はどのような雰囲気でしたか
弊所は1990年に設立され、私は2001年に入所しました。私が入所した時は弁護士6人の事務所で、全員がクライアントのために心血を注いで日々案件に取り組むという意味で同じ目標を持ちながらも、それぞれの弁護士が個性を生かして異なるアプローチで事件処理に取り組む様子が、非常に魅力的に映りました。各弁護士が、それまでに歩んできた道から生まれる個性を生かして一つ一つの事件を処理し、アソシエイトにもその個性を尊重する事務所の柔軟性を感じながら仕事に取り組み、私生活を含め、非常に充実感がありました。入所後も、これまで、その印象(実感)に変わりはありません。
ーー三宅坂の魅力は何ですか
弁護士個人の希望を尊重して成長を後押しする文化が根付いている点です。
私が入所して2年ほど経過した頃、紛争案件が自分に合っていないのではないかと感じて、他の分野に注力したいと当時のパートナーに相談したことがありました。その時、紛争案件を中心に扱っていたパートナー弁護士に、「私が見ている限り篠田さんは紛争案件に適性がある。我慢強くやり続けたら、将来きっと役に立つ。」とアドバイスを受け、その後も紛争案件に懸命に取り組んだ結果、今では私の業務分野の柱になりました。
また、留学の際には学費+αの補助を受けました(その後の留学者にも、同様の補助が出ています)。さらに、私は、2つのロースクールに通った上、どうしてもアメリカの法実務を経験したいと考え、パートナーの弁護士に相談したところ、「思い残すことが無いようにやってきてください。」と後押しをいただき、留学3年目にアメリカの法律事務所で執務することができました。当時アメリカの弁護士と議論を重ねた経験が、国際取引業務に関わる私の礎になっています。
パートナーになって以降も、社外役員やロースクールの教員等、相応の時間を割くことになる業務を自身の希望どおりにできているのも、他の弁護士や事務員の様々な支えがあってのことだと感じています。
三宅坂では、留学への支援以外にも、民間企業や官公庁などへの出向の後押しも、様々な形でしています。留学や出向を経験することで、アソシエイトのうちに事務所の外の世界を経験し、弁護士としての自分自身を客観視できます。自身の専門分野を深め、その生かし方を見つけることで個人としての成長にも繋がり、その経験の還元を受ける事務所の発展にも繋がると考えています。
ーー三宅坂総合法律事務所の今後の目標を教えてください
クライアントのあらゆるニーズに、事務所総体として、高度なレベルで対応し続けることですね。
日々新しいニーズがクライアントに生じる中、個々の弁護士だけでは、その要求に到底対応しきれません。特に、新しい分野については、若い世代が積極的に一歩踏み出して対応していくことで、事務所としてクライアントのあらゆるニーズに対応し続けることができます。
幅広い経験を積んだアソシエイトが、目まぐるしく移り変わる社会の中で見つけた自身の関心に沿った活躍の機会を得ていくことができるのも三宅坂の魅力だと思います。これからもこの好循環を続けることで、事務所も発展し続けることができると考えています。
ーー留学経験について教えてください
私はアメリカとドイツへ合計2年の留学に行き、アメリカではアメリカの知的財産法・情報法を、ドイツではヨーロッパの知的財産法・情報法を勉強しました。もともと、知財を勉強するのであればドイツに良いロースクールがあるよということは、事務所のパートナーから教えてもらっており、アメリカ留学中に、アメリカの知的財産法や他の法律も考え方が根本的なところで大きく日本と違うところがあることも分かったので、GDPRなども制定されてアメリカとはまた違う考え方を取り入れているヨーロッパの知的財産法・情報法の分野もしっかり勉強したいと考え、留学2年目はドイツに行くことを決意しました。
帰国後、業務は知財や海外取引が8割ほどを占めるようになりました。他国の法律を勉強したことで、海外のライセンスが多く絡む知財分野において、海外の法律の知識を踏まえて、より適切に取引スキームを検討して契約書を作成することができるようになりましたし、経歴としても、他の方から知財や海外取引を専門としている弁護士であると認識してもらえるようになったからだと思います。留学はただ行くだけではなく、帰国後の業務に大きく生きてくるので、そのために留学中に学ぶための土台となるような十分な実務経験をさせてもらったり、学費等を事務所が補助してくれるのは魅力的でした。
ーー産休・育休については、いかがでしたか
妊娠してからは他の先生方みなさんに働き方や案件の量など本当に気にかけていただき、妊娠中は体調の変化が大きいため、産休前は業務のほとんどをリモートワークに変更して、現場に行かないといけないような業務は担当しなくてもよいように配慮していただきました。アソシエイトには定期的にメンターのパートナーの先生に相談にのっていただける面談の機会がありますが、その都度、体調面の変化などを相談して、働き方など非常に柔軟に対応していただきました。
出産後も子どもを保育園にお迎えに行く時間や育児の時間に配慮してもらいながら、自分の状態に合わせた働き方ができるのが魅力的ですね。
ーー他事務所からの転職を経て、三宅坂に入所しています。どこに魅力を感じて転職を決めたのでしょうか
学生時代にサークルの同期だった星野弁護士が先に三宅坂に入所しており、業務内容や働き方についての話を聞いて、仕事面での成長も私生活面での充実感も両方感じながらバランス良く仕事をしていて、強く惹かれたのがきっかけです。
三宅坂は将来的にパートナーとして自立していくことが必然的に求められる環境ですので、アソシエイトが自ら主体的に将来のキャリア形成や、クライアント獲得に向けた活動(弁護士会の委員会や専門分野の研究会への参加や事務所外のネットワーク開拓など)をすることを後押しする気風があります。他の比較的規模の大きい法律事務所では、若手のうちから形成キャリアを視野に入れて主体的に所内外でネットワーク開拓などをしたい気持ちがあっても、目の前の仕事が多忙でなかなか行動に移せないという場合もよくあると思います。転職前は私もその一人でしたが、星野先生の話や三宅坂での採用面談を通じて三宅坂の文化を知って、悩みながらでも自分自身で決めた道を歩んでいきたいと思い、三宅坂への転職を決めました。
ーー転職してみた感想はいかがでしょうか
一言でいうととても良かったです。三宅坂に転職して約5年が経ちますが、転職前に感じた事務所に対する印象は今でも変わっていません。入所して最初の3年くらいはあまり明確な将来のビジョンが見出せずに、まずは知見を広めておこうと思い、幅広い分野の業務配転を希望していました。その中で、非常に印象深い倒産・事業再生案件にいくつか触れたことや、東京第二弁護士会倒産法研究会の会務等をきっかけに所外の先生から大型破産管財事件にお声がけ頂いたこと等を通じて、現在では、事業再生・倒産案件に高い専門性を持ちつつ、そこで得た知見を生かして幅広い企業法務分野に柔軟に対応できる弁護士を目指していきたいと思っています。自分自身で考えて色々と試行錯誤をしてみたい私にとっては、とても働きやすい事務所です。
また、私生活面でも非常に満足しています。もうすぐ1歳になる双子の子どもがいるのですが、ワークライフバランスにも配慮している事務所なので、子供が生まれる少し前からはほとんど100パーセント在宅勤務という形をとらせてもらっています。だからといって案件の中身が甘くなるわけではなく、シビアな案件にも今まで以上に責任のある立場でどんどん挑戦させてもらえています。自分のライフステージに合わせて、ある程度自由な働き方をさせてもらいながら、弁護士個人としての実力を養うこともできる環境は素晴らしいと思います。
ーーサマクラに参加する学生にメッセージをお願いします
サマクラに参加する意味は実体験に基づいて事務所を比べることにあると考えています。
就職のオファーを実際に受けるまでは「どこかに入りたい…」という意識が強くなりがちですが、いざオファーを複数受けると、どの事務所も魅力的で本当に悩んでしまう、ということはよくあると思います。そんなとき、サマクラなどを通じて実際にそこで働く人と会って感じた印象や、一人一人がどんなところにプライドをもって仕事をしているかといった部分に自分がどれだけ共感できるかということが、一つの道標になると思います。
参加する学生の方々には、複数のオファーをもらったときの決め手を探しに行く、くらいの堂々とした気持ちで来ていただきたいです。
ーー出向のご経験について教えてください
弁護士2年目までは訴訟や破産等の一般民事の仕事が比較的多く、漠然と、何でもできる弁護士になりたいと思っていましたが、2年目が終わる頃に総合商社法務部への出向の提案を受けました。当初は、新しい環境で、新しい仕事をすることに若干の不安はありましたが、「これまでとは違う世界を見ることができるのではないか」と考え、出向を決意しました。
出向先では、主に、アジア地域のエネルギー及びモビリティビジネスの法務を担当していましたが、法務担当者としてビジネスに直接関与できたのはとても良い経験でした。特に、ビジネスへの関与を通じて実際にビジネスがどのように行われるのかを深く知ることができ、弁護士としてビジネスをサポートする際に、どのような部分が重要になるのかを認識できるようになりました。また、アジア地域でのビジネスにおけるコミュニケーション及びドキュメントの作成は英語で行われることが多いですが、出向期間中、毎日英語に触れることができたのは本当に良い経験でした。
――出向後はどのような仕事をしていますか
出向後は、出向時の経験を生かして、業務の半分以上は国際法務、特にアジア地域のビジネス法務に関する仕事をしています。来年には、より専門性を深めるために留学に行くことを考えており、現在留学書類の準備をしています。
ーー今回のサマクラでは、参加者はどのようなことが学べるのでしょうか
当事務所のような規模の法律事務所がどのような業務をやっているのか、実務家はどのような思考で仕事をしているのかを肌で感じてもらいたいです。サマクラでは、実務で我々が接している事案に近いものを起案していただき、担当弁護士が起案の講評を行う形となっており、当事務所の業務をリアルに接することができるプログラムとなっています。司法試験の問題を起案するのとは少し異なり、法的に正しいかは当然として、起案内容がクライアントにとって必要な情報が伝わるものになっているか等、実務家が普段意識していることを踏まえて対応していただくことを想定しています。
ーー今回サマクラに参加する学生に伝えたいことはありますか
サマクラというと採用活動の一部であると考え、固くなってしまいがちですが、個人的には、法律事務所がどのように仕事をしているのか、どのような雰囲気なのかを見に来るといった気軽な気持ちで参加いただいても良いと思っています。一方で、将来所属する法律事務所を選びに行く意識はしっかり持っていただき、サマクラでの経験を将来の進路選択に役立てていただくことが望ましいですね。
【日程】
以下から1つ
(1) 2024年7月29日(月)~ 7月30日(火)
(2) 2024年8月1日 (木)~ 8月2日 (金)
(3) 2024年8月5日 (月)~ 8月6日 (火)
(4) 2024年8月8日 (木)~ 8月9日 (金)
(5) 2024年8月13日(火)~ 8月14日(水)
(6) 2024年8月15日(木)~ 8月16日(金)
(7) 2024年9月2日 (月)~ 9月3日 (火)
(8) 2024年9月5日 (木)~ 9月6日 (金)
(9) 2024年9月9日 (月)~ 9月10日(火)
(10)2024年9月12日(木)~ 9月13日(金)
(11)2024年9月17日(火)~ 9月18日(水)
(12)2024年9月19日(木)~ 9月20日(金)
【場所】
三宅坂総合法律事務所(東京都千代田区内幸町2-1-4 日比谷中日ビル6階)
【勤務時間】
9時30分〜17時30分(うち休憩1時間)
【応募方法】
・提出物
【法科大学院在学中の方】
・ 事前アンケート(法科大学院生向け) ※必要箇所を記入
・出身大学の成績証明書写し
・法科大学院の成績証明書又は成績通知書写し
・予備試験の成績資料写し(受験経験がある場合のみ)
【大学在学中の方】
1. 事前アンケート(大学生向け) ※必要箇所を記入
2. 大学の成績証明書写し
3. 予備試験の成績資料写し(受験経験がある場合のみ)
・応募先
上記の必要書類を添付の上、summer-clerk@miyakezaka.or.jp(サマークラーク事務局)宛てEメールにて送付。
※Eメールでの送付が難しい場合は、「三宅坂総合法律事務所 サマークラーク事務局」宛てで三宅坂総合法律事務所に必要書類を郵送
・採否
事務所から順次連絡
【注意点】
・各クール開始日の前週水曜日に応募が締め切られるため、忘れないうちに早めの応募を推奨
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