慶應ロー生が考える!ステートメントの書き方&合格例紹介
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慶應ロー生が考える!ステートメントの書き方&合格例紹介

1/25/2024

目次

◇はじめに
◇ステメンの書き方ポイント3選
◇合格ステメン①〜慶應ロー編
◇合格ステメン②〜東大ロー編
◇合格ステメン③〜一橋ロー編
◇さいごに 


◇はじめに


ロースクール入試では出願時に志望理由などをまとめた、いわゆる「ステートメント(ステメン)」と呼ばれる書類の提出が求められます。受験生の中にはステメンの書き方で悩む人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、慶應ロー・一橋ロー・東大ロー合格者が実際に提出したステメンを基に、慶應ロー生(既修コース・3年)である筆者が考えた、高評価が狙えるステートメントの書き方をご紹介します! 



◇ステメンの書き方ポイント3選


その1:ステメンを書く前に自己分析をしましょう


上述した質問事項に答える際には、過去・現在・未来を繋ぐ一本の自分の道を伝える必要があるため、まずは自己分析を行うのが良いでしょう。「なぜ法曹になりたいのか」という軸さえ定まっていれば、ステメンで聞かれる質問には大抵の場合対応することができます。例えば「これまで大学や社会において学んできたこと」は過去の自分、「ロースクールへの入学理由」は今自分が入学を志望する理由、「なぜ法曹を志望したか」は目指している将来像についての質問です。そこで、過去・現在・未来に至るまでの自分のストーリーを一直線で繋がるように書くことが重要です。

例えば、マインドマップや自分史を作成したり、友人等にインタビューしてもらたりすることで、自分自身をより深く理解することができます。そして自分なりの一つの軸を持つことで、質問に答えるための土台を作ることができます。


その2:結論ファーストを心掛ける


ステメンでよく聞かれるのは「なぜ法曹を志望したか」「ロースクールへの入学理由」「これまで大学や社会において学んできたこと」などです。まずは、それぞれの質問に対する結論を冒頭で明らかにしましょう。自分が伝えたいことの核心をストレートに伝えることができます。

具体的には、法曹を志望する理由の結論として「◯◯な弁護士となり、〜という社会課題を解決したい」と端的に示しましょう。
 

その3:自分の経験に即して具体的に書きましょう


例えば、「弁護士として◯◯(社会課題)を解決したい」といった答えの場合には、「なぜ自分がそのような志を抱いたのか」「その原点やきっかけは何か」を説明することで、結論がより説得的になります。その際、経験談等の具体例を詳細に書くことで、読み手にあなたの人物像が伝わりやすくなります。 


◇慶應ローの場合

慶應ロー・既修者コースの場合ステメン(志願者報告書)や学部成績等の書類の評価が入試の全体評価の2割を占めると公表されています。ステメンは合格のために軽視できない存在です。

質問事項の分析と書き方ポイント

まず、慶應ローの志願者報告書のうち志願者全員が回答を求められている質問事項について分析していきます。

【分析】

受験者は
①自分の抱いている問題意識
②その問題意識に基づいて行った学習、研究活動等
③将来のビジョン+学習・研究活動がビジョンとどのように繋がるか
の三つに答えることが求められています。 

【ポイント】

その際、将来のビジョンから逆算して答えを導き出すことを意識すると、一貫性のある文章をつくることができます。

例:筆者がステメンを作成する際に行った思考過程

A.将来のビジョン 
↓「なぜそのビジョンを抱いたか」
B.そのビジョンを抱いたきっかけ・体験談等
↓「その体験によりどのような問題意識を持ったか」
C.問題意識
↓「その問題を解決するために何が必要だと考え行動したか」
D.学習、研究活動等の解決策の探求
↓「なぜロースクールへ入学する必要があるのか」
E.学びの必要性
↓「その学びは何に繋がるのか」
A.将来のビジョン

なお、②の質問に答える際には一〜三つの活動、研究活動をあげるという個数制限があるため注意しましょう。

合格者のステメンを見てみよう!

では、2021年度入試で慶應ロー(既修コース)に合格した、Iさんが実際に提出したステメンを見てみましょう。


※記事掲載にあたり、一部内容を改変しております。

 

【ポイント】

①具体的な将来のビジョンを冒頭で示しましょう。 

②問題の解決策を模索したという経験談を書くことで、問題意識と将来のビジョンの繋がりを説明できます。

③法曹としての素養を学んだ経験談を書くことで「なぜ法曹として問題の解決にあたらなければならないか」を示すことができます。


◇東大ローの場合


質問事項の分析と書き方ポイント

【分析】

受験者は
①法曹への志望理由
②勉学の状況等の自身の経験談を示し、
任意事項として③東大ローへの入学理由
の三つに答えることが求められています。 

【ポイント】

 ①②は慶應ローの場合と同様です。③の事項は任意事項ですが、基本的には記入しましょう。東大ローの場合も、①〜③に一貫性を持たせることが重要ですその際「法曹になるために、なぜロースクールでの学びが必要か」「数あるロースクールの中でもなぜ東大ローなのか」といった点を意識すると良いでしょう。 
 

合格者のステメンを見てみよう!

では、2022年度入試で東大ロー(既修コース)に合格した、Kさんが実際に提出したステメンを見てみましょう。


※記事掲載にあたり、一部内容を改変しております。

【ポイント】

①冒頭で「なぜ東大ローへ入学したいか」を端的に答えましょう。

②法律に関連した活動に携わってきた経験を書くことで、法曹としての素養を有しているとアピールできます。

③これまでの学びでは足りない部分を書くことで、更なる学びの場としてロースクールへ進学する必要性を伝えられます。

④数あるロースクールの中でもなぜ東大ローへ進学したいかを示しましょう。 


◇一橋ローの場合


質問事項の分析と書き方ポイント

【分析】

受験者は
①自己のアピールポイント
 例1 ロースクールにへ入学するのにふさわしいと考えるべき理由
 例2 魅力的な法曹となれると考える理由
②アピールポイントの根拠となる経験、学業・社会活動
を記載することが求められています。

【ポイント】

アピールポイントの内容は受験生に委ねられていますが、大学側が例示している二つの例に沿って書くのが良いでしょう。そして、単なる志望理由ではなく「入学するのにふさわしい」理由を聞かれているため、「自分は『魅力的な法曹になれる』人材だから『ロースクールに入学すべき』」のように、二つのアピールポイントを因果関係で繋ぐことが大切です。


合格者のステメンを見てみよう!

では、2021年度入試で一橋ロー(既修コース)に合格した、R.S.さんが実際に提出したステメンを見てみましょう。

【ポイント】

 ①なぜ自分が魅力的な法曹になれるかを冒頭で示しましょう。

 ②将来なりたい法曹像とその理由を具体的に述べましょう。

 ③なぜその問題意識を持つようになったかを、経験に即して書きましょう。

 ④一橋ローの特色を踏まえて、入学するのにふさわしい人材であることを示します。

 ⑤将来的な目標を再び述べることで自分が魅力的な法曹になれることを強調しています。

 ⑥一橋ローの特色と自分のビジョンが一致していることを述べることで、一橋ローに入学すべきだと結論付けています。



◇おわりに


ロースクール受験は人生の岐路の一つだと私は思います。自分が人生を通じてやり遂げたいことは何か」「どのような人間になりたいか」を自問することで、充実したステメンが書けるだけでなく、人生の方向性を考えるきっかけにもなります。
この記事でみなさんのお悩みが少しでも解決できたら嬉しいです。
みなさんが充実したロースクール生活を送れますように。

 編集部では公式LINEアカウントで、いつでもステメンに関する質問を受け付けております!「ここがもっと知りたい」「自分のステメンを見てほしい」など、ご相談をお待ちしております。

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