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2024年 民法 東北大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2024年 民法 東北大学法科大学院【ロー入試参考答案】

3/25/2025

The Law School Times【ロー入試参考答案】

東北大学法科大学院2024年 民法

 

第一問

 YはXからの売買契約(555条)に基づく甲の引渡請求を拒むために、契約はAがXYの双方を代理(108条1項本文)したものであるから無権代理(113条1項)と擬制され自己に効果帰属しない旨を主張すると考えられる。Aは「同一の法律行為」について「当事者双方」の代理人として行っている。

第二問

1. Xが優先弁済を受ける根拠として、甲の売買についての動産先取特権(311条5号321条)が成立し、甲の転売によりAが取得した代金債権βを物上代位(304条1項本文)により行使できることがある。

2. Aが債権βをBに譲渡し通知した後でも物上代位による優先弁済をXは受けることができるか。かかる場合において債権譲渡が「払渡し又は引渡し」(304条1項但書)に含まれるかが問題となる。

 そもそも、物上代位の差押えの趣旨は、第三債務者を二重弁済の危険から保護する点にある。
 この点、第三者による公示がなんらかの方法で第三者になされていれば、二重弁済の危険が回避される。抵当権(372条)等は登記の設定により第三者に公示されるものの、動産譲渡による物上代位は公示の方法がなく第三債務者の二重弁済の危険が回避されない。そのため、動産譲渡の物上代位の場合には債権譲渡は「払渡し又は引渡し」に含まれないと解する。したがって、債権譲渡の対抗要件が供えられた後において、動産先取権者は物上代位権を行使できないといえる。
 よって、Aが債権βをBに譲渡し通知した後でも物上代位による優先弁済をXは受けることができない。

第三問

 民法550条が書面によらない贈与を取り消すことができるとした趣旨は、贈与者が軽率に贈与することを防ぎ、かつ、贈与の意思を明確にするためであるから、贈与が書面によってされているといえるためには、贈与の意思表示自体が書面に表示されていることは要さず、書面に贈与が確実になされたことが看取しうる程度の記載があれば足りると解する。よって贈与の意思表示自体が書面でなされている必要はない。

第四問

 ①は、891条に定められた事由に該当すると当然に相続の資格を失うという意思によることなく相続資格を失う制度である。②は、892条及び893条に定められている通り被相続人の意思によって家庭裁判所が推定相続人の相続資格を失う制度である。③は、939条に定められている通り、相続人の意思によって自らに対する相続の効果を確定的に消滅させる制度である。

                                       以上

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