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2024年 憲法 愛知大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2024年 憲法 愛知大学法科大学院【ロー入試参考答案】

6/19/2025

The Law School Times【ロー入試参考答案】

愛知大学法科大学院2024年 憲法

1. 本件不許可処分は、Xのコスプレ撮影会を本件会館において開催する自由(以下「本件自由」)を侵害し違憲とならないか。

⑴まず、コスプレ撮影会をする自由は、多数人が一か所に集合して参加者の表現活動を共有するものであるから、「集会」「の自由」(21条1項)として保障されると考える。
 そして、「公の施設」たる本件会館は、いわゆるパブリック・フォーラムであり、住民の権利行使にとって必要不可欠な場であるといえる。そこで、本件会館を集会のために使用することを妨げられない権利が21条1項によって保障されるものと解する。(地方自治法244条2項参照)。
 したがって、本件自由は憲法21条1項により保障される。

⑵そして、本件不許可処分によりXは本件会館を使用してコスプレ撮影会をすることができなくなっているので、本件自由に対する制約がある。

⑶もっとも、A市長はA市立文化会館条例4条各号の事由がある場合、本件会館の利用を許可しないことができる。Xは以下のように本件不許可処分はA市長の裁量の逸脱濫用があり、違憲であると主張する。

ア まず、同条各号は「風俗を乱すおそれ」という抽象的文言を使っており、また公共施設である本件会館の使用を許可するかの判断についてはA市長に委ねられるべきであるため、要件裁量が認められる。

イ 次に、判断が重要な事実の基礎を欠くか、社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかである場合には、かかる要件裁量の逸脱濫用となる。A市は、一部市民から「X の過去の撮影会では、目のやり場に困るコスチュームやポーズが見受けられたので、本件撮影会を中止すべきである」とのメールが A 市に届き、またSNSを確認したところ、メールの内容が事実であり、本件会館の利用条件に違反すると判断したのだから、判断が重要な事実の基礎を欠くか、社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかである場合には当たらないと主張する。しかし、X は、本件撮影会では、アニメの人気キャラクターに扮した者を撮影し、その人気キャラクターが登場するアニメの名シーンを再現して撮影するだけであると考えており、過去に目のやり場に困るような撮影会をしていたからと言って今回も同様であると考えるのは本来考慮すべきでない事項を考慮するものであり、判断が社会通念上著しく妥当性を欠くことが明らかであると言える。

ウ よって、本件不許可処分にはA市市長の裁量の逸脱濫用がある。

2. したがって、本件不許可処分は、本件自由を侵害し違憲である。

以上


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