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2023年 刑事系/刑事訴訟法 一橋大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2023年 刑事系/刑事訴訟法 一橋大学法科大学院【ロー入試参考答案】

2/29/2024

The Law School Times【ロー入試参考答案】

一橋大学法科大学院2023年 刑事系/刑事訴訟法

第1(小問1)

1. 検察官は、鑑定書を作成したDの証人尋問を請求し、鑑定書の作成名義及び内容の真正の供述を求めるべきである(刑事訴訟法(以下、略)321条4項準用)。

第2(小問2)

1. 「疑わしきは被告人の利益に」の原則(利益原則)とは、事実の存否について証明が不十分なときは被告人の有利になるように扱わなければならないとする原則をいい(336条参照)、その実質的根拠は、罪を犯していない者を有罪とする不利益はその者に甚大な被害を集中して発生させる一方で、真犯人を無罪とする不利益は社会全体に害を分散させるため、同原則を採用することによって前者のような事態を避ける点にある。

第3(小問3)

1. 裁判所は、無罪の判断をすべきである。

 この点、本件のように証明が不十分な両事実が論理的択一関係にある場合には、利益原則を適用して軽い方の罪を認定すべきとの見解がある。しかし、利益原則は、犯罪の証明が不十分な時にその犯罪で有罪とすることを許さないとする原則にすぎず、積極的に証明不十分な事実が存在しなかったことまで認定するものではない。むしろ、かかる場合に利益原則を適用すると、どちらの事実についても「犯罪の証明」(333条1項)が不十分である結果どちらの事実の認定も許されないこととなるため、どちらの事実も無罪との判断をなすべきである。
 したがって、裁判所は無罪の判断をすべきである。

(第4小問3(死体遺棄罪の成立を認める場合))

1. 裁判所は、死体遺棄罪の成立を認めるべきである。

利益原則を適用し、軽い方の罪の成立を認めるべきである。なぜなら、利益原則は、不十分な証明に基づいて刑罰を受けることから被告人を保護するものであるから、いずれかの罪が成立することについて合理的な疑いを超える証明があった場合に「犯罪の証明」(333条1項)があったとして軽い罪を認定することは同原則に反しないからである。

したがって、本件における軽い方の罪である死体遺棄罪を認定すべきである。

以上

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