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予備試験とは
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予備試験とは

11/25/2023

みなさんは、予備試験(正式名称:司法試験予備試験)をご存知でしょうか。後述の通り、受験して合格すると、司法試験の受験資格を得られるという試験です。司法試験に似ている側面もあるのですが、受験資格や実施時期、科目等について、司法試験と大きく異なる点があります。

そこで、本記事では、「予備試験を受験したい!」「予備試験に興味がある!」という方から「予備試験って何…?」という方まで、すべての方に向けて、予備試験について分かりやすくお伝えします! 


◇司法試験との関係

予備試験という制度は2011年(平成23年)から始まりました。予備試験とは、平たくいえば、「司法試験の受験資格を得るための試験」です。予備試験に合格すれば、次の年から5年間(5回)司法試験を受験することができます。

ロースクールを2年間ないし3年間かけて修了しなくても、予備試験に合格さえすれば司法試験の受験資格を得られるので、司法試験合格への最短ルートということができます。

また、ロースクールの授業料を支払う必要がない点で、ロースクールを修了する場合に比べ経済的な負担を軽くできる制度と言えます。さらに、現役社会人の方等ロースクールに通う時間的余裕のない方にとっては、ロースクールへ通わずに済むメリットもあります。


◇受験資格

短答式試験については、受験資格に特に制限はありません。論文式試験は、当該年度の短答式試験合格者のみ受験資格があり、口述試験は、当該年度の論文式試験の合格者のみ受験資格があります。いわば短答式試験が1次試験、論文式試験が2次試験、口述試験が最終試験というような形になっています。

 


◇日程

参考までに、令和5年予備試験の実施日程を示します。司法試験とは異なり、短答式と論文式は2カ月弱の間隔が空けられています。また、口述試験が行われるのが特徴です。

試験内容

短答式試験

司法試験と異なり、商法・民事訴訟法・行政法・刑事訴訟法・一般教養についても出題されます(司法試験よりも5科目多いです)。

 論文式試験

司法試験に比べて、試験時間・問題数ともにコンパクトなのが特徴です。例えば、答案用紙は司法試験ではA4版8枚であるのに対し、予備試験ではA3版両面(A4版4枚相当)となります。また、司法試験では例えば公法系のうち憲法と行政法は別の時限で実施されますが、予備試験では公法系でひとくくりになっています。

さらに、予備試験特有の科目として法律実務基礎科目が課されます(具体的には、民事では要件事実・民事手続・民事執行法・民事保全法・法曹倫理、刑事では事実認定・刑事手続・法曹倫理などが問われます)。

選択科目は、倒産法・租税法・経済法・知的財産法・労働法・環境法・国際関係法(公法系)・国際関係法(私法系)から1つ選択して受験します。

 口述試験

口述試験は、予備試験特有の試験です。不合格者は毎年10人程度と、非常に合格率は高い試験であるがゆえに「絶対に落ちてはいけない試験」ともいえ、論文式試験終了後から口述試験までの間に入念に準備しておく必要があります。


受験者数・合格者数

平成23年(初年)~令和5年までの受験者数・合格者数などについて、表に示します。

受験者数は、例年やや増加傾向にあるといえます。合格率は初年度こそ1.8%でしたが、その他の年は3.0~4.2%で推移しており、大きな増減はありません。

予備試験合格者の司法試験合格率について見てみると、2011~2017年までの間は61.5~77.6%と推移し、それ以後合格率は上昇し、2022年には97.5%を記録しています。いかに予備試験合格者の司法試験合格率が高いかが見て取れます。予備試験にさえ合格していれば、司法試験はかなりの高確率で合格するといえます。


◇おわりに

予備試験の最終合格率はわずか数%と極めて難しい試験であるといえます。しかし、経済的なメリット、合格した場合に司法試験の受験資格を得られることに加え、かなりの高確率で司法試験に合格できるというメリットがあります。さらに、予備試験合格者限定の法律事務所のインターンシップに参加できたり就職活動の際のアドバンテージになったりするというメリットもあり、予備試験に合格する意義は非常に大きいです。

法曹を目指すみなさんは、この記事を参考にしてご自身の受験プランを考えてみてください!

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