12/23/2023
12月25(月)・26(火)に実施予定の「LSTimes予備試験口述模試」。運営を担うThe Law Shool Times編集部員は、どのようにして予備試験を突破したのでしょう。2人目は、予備試験口述模試の主査・問題作成を務めるみねさんです。
(ライター:棚橋/The Law School Timesディレクター)
みねさん 令和4年予備試験合格
東京大学法学部を卒業後、慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻(既修者コース)に入学。ロースクール3年次に令和4年度予備試験を受験し、合格。令和5年度司法試験を受験し、合格。
✅予備試験は2回目の受験で合格
✅司法試験一発合格
予備試験に挑戦した理由は、司法試験に向けた見通しを立てておきたかったからです。司法試験以外で司法試験考査委員になるような先生方に答案を採点してもらえる機会は多くありません。予備試験を通じて司法試験の1年前に客観的な評価を受けることで司法試験の対策が立てやすくなると考え、予備試験を受けました。
2度目の予備試験挑戦はロー3年次だったので、合否によらず翌年の司法試験を受験することができます。それでも合格したかった理由は、司法試験に向けて安心したかったからです。自分の性格上、焦って勉強するよりも心にゆとりをもって勉強した方が勉強内容が頭に残りやすいと感じていたので、早めに自信をつけたい思いがありました。予備試験に合格できれば司法試験に向けて一定の実力があるという証明になるので、合格して自信を得ることを目的にしていました。
予備試験の勉強を本格的に始めたのは令和4年の2月から、つまり短答式試験の3カ月前からです。そして2月から短答式試験までの3カ月間は、1週間で1科目の勉強を終わらせる計画を立てていました。1週間のうち最初の3日間で基本書・予備校のテキストを1周読んで論証集に知識を一元化し、残りの4日間で『短答過去問パーフェクトテキスト』(辰巳法律研究所 著/辰已法律研究所)(短パフェ)を1周(間違った部分のみ2周)する計画です。
具体的には、最初の3日間は基本書・テキストを1日100〜200ページ程度読み、残りの4日間は短パフェを1日あたり70問解いていることが多かったです。
実際には、これらの計画を完全に達成することはできませんでした。特に民法の短パフェは問題数が多く、1週間以上かかってしまいました。短答式試験までに実務基礎科目を除いた8科目については計画通りやりきりましたが、実務基礎科目については一切触れることができませんでした。
短答式試験終了後、論文式試験までの2カ月間は、1科目あたり4日かけて短文事例問題集(論文マスターテキスト)を解きました。これを実務基礎科目以外の8科目分で32日間行いました。実務基礎科目は、2科目合わせて1週間かけて基礎マスターテキストを1周するのみで終わってしまいました。残りの期間は、全て論証暗記にあてました。
憲法・民法・労働法・実務基礎科目以外の5科目は、基本書で学んだ内容を『趣旨規範ハンドブック』(辰巳法律研究所 著/辰已法律研究所)に一元化していました。刑法は、ロースクールの授業の内容を、同じく『趣旨規範ハンドブック』に一元化していました。
午前9時に起床し、10時から家の近くに借りた自習室で勉強していました。勉強を早く終わらせるモチベーションを持つために帰宅時間は決めておらず、その日にやるべきこと(例えば、短パフェ70問)が終わったら帰宅することにしていました。さらに帰宅後は一切勉強はせず、遊んでもいいと決めていました。1日の勉強時間は平均で7.5時間程度です。
ロースクールでの授業は、自分の論証集のカスタマイズ・グレードアップに使っていました。ロースクールの授業では細かい知識や最新の知識を教えてくれることが多く、論証集や予備校のテキストを使用するだけでは不正確になってしまう部分の知識を補充するために役立ちました。
形式的なところになってしまいますが、家では勉強しないことを決めていました。家にはベッドやゲームなど誘惑が多く自分にとっては勉強場所に適していなかったので、外出することでスイッチを切り替えていました。また、勉強に取りかかるためのモチベーションを上げるために歌詞つきの音楽を聴きながら勉強していたのですが、この点は真似しない方がいいと思います(笑)
うまくいったことは、暗記量を少なくしたことです。私の場合、試験まで十分な時間がなかったので、論証の中で暗記する部分をできるだけ削っていました。暗記に要する時間を減らすことで、少ない可処分時間の中でも短文事例問題集を用いた問題演習に取り組むことができ、この点が合格に繋がったと考えています。
【関連note記事】
みねさんによる論証の覚え方の解説note記事「予備・司法試験における論証の覚え方」はこちら!
後悔していることは、問題演習の時間が足りなかったことです。実際に答案を書く機会が少なかったせいで、「規範はわかるものの、当てはめ方がわからない」状態に陥ってしまいました。実際に令和4年予備試験では、無効確認訴訟の補充性要件の当てはめ方がわからず苦戦を強いられました。
また、実務基礎科目に割いた時間が少なかったことも後悔しています。実務基礎科目は他の科目に比べて2倍の配点を有する上、口述試験でも実務基礎科目の知識が必要となるため、もっと時間をかけて勉強すべきでした。
論文式試験の試験日は、かなり早い時間に起きました。試験会場に向かう電車の中では、自信のない論証の最終チェックをしていました。試験の休み時間には目を閉じて少し寝るなどして、なるべく体力を使わないようにしていました。
口述試験の試験日は人生で一番緊張しており、正直よく覚えていません。試験会場に入るとレッドカーペットが敷かれており、余計に緊張感を煽られたことはよく覚えています(笑)
とにかく短答式試験の科目数が多く、その勉強に苦労しました。最も大変だったのは、論述式試験の本番です。予備試験は試験時間が短いため急いで答案を書かなければいけない上、1日で5科目分の答案を書かなければなりません。論述式試験の2日目の試験日には、腕が動かなくなるほど疲労が溜まっていました。
その分、論文式試験を受け切った際にはとてつもない開放感がありました。その時、本気で取り組んでよかったと強く感じました。
予備試験の口述試験は、実力以上に場慣れが大事な試験だと考えています。試験までに、現場で緊張しない方法を身に付けておくことが望ましいです。しかし今ある口述試験模試は、1万円以上の受験料がかかったり、受験生に口述試験の再現答案の提出を求めたりするものがほとんどで、気軽に受けられるものではありません。
もっと受験生がアクセスしやすい口述試験模試を作りたいということで、今回の模試を企画しました。受験生のみなさんには、ぜひ気軽な気持ちで申し込んでいただきたいです。
勉強を続けることはとても辛いと思います。勉強から逃げたくて遊んでしまう日もあるかもしれません。けれどそんな日は、心からは楽しめていないはず。試験後に全てから解放されて思いっきり遊べるように、受験生の時は集中してやるべきことをやってください。
とはいえ人間なので、どうしても勉強が手につかない日もあると思います。そういう時は無理をせず、思い切って1日どこかに出かけてみるのもいいと思います。とにかく、心と体の健康を大事にしてください。
また「過去問には早めに取り組むべき」「色々なテキストに手を出すべきではない」といった、よく聞くアドバイスは正しいことが多いです。「いや、でも自分は」と思わず、素直に受け入れることをお勧めします。私自身も、受験生時代には使用しているテキストへの批判を目にして不安になることもありました。しかしそのような批判は真に受けず、信じたテキストと心中すれば必ず合格できます。
みなさんが良い結果を残せるように応援しております!
今回取材したみねさんが問題作成・主査を務める、LSTimes予備試験口述模試の開催詳細はこちらです!
12/25(月)、12/26(火)に実施しますので、ぜひ受験をしてみてください!
◇LSTimes予備試験口述模試 概要◇
実施日程
12月25日(月)または26日(火) 9時〜19時のうち1時間程度
形式
対面またはzoom
場所
池袋駅近くの会議室
受験料
3000円(事前のクレジットカード決済または銀行振込をお願いしております。)
定員
先着50名
申込方法
お申込みはこちらのフォームから
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