【令和5年・司法試験合格体験記 Vol.2】予備校に頼らず独学で一発合格 金子さん(慶應ロー・3年)
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【令和5年・司法試験合格体験記 Vol.2】予備校に頼らず独学で一発合格 金子さん(慶應ロー・3年)

3/29/2024

司法試験合格者に受験の体験談を聞く本連載・令和5年ver。
第2回目は、千葉大学法政経学部を経て慶應ローに入学し、3年次に在学中受験で一発合格した金子優駿さんです。予備校に頼らず合格を成し遂げた経緯や勉強法についてお話を聞きました。(ライター:伊藤/The Law School Timesライター)

今回の合格者

金子優駿(かねこ・ゆうしゅん)さん 令和5年司法試験合格

2022年3月に千葉大学法政経学部法政経学科を卒業し、同年4月に慶應義塾大学大学院法務研究科法曹養成専攻(既修者コース)に入学。

在学中受験資格を得て、予備校に頼らず独学で令和5年司法試験を受験し、合格。

✅慶應ロー・既修コース

✅一発合格

✅独学



司法試験合格を目指した理由 

明確な理由があったわけではないのですが、なんとなく弁護士の仕事は面白そうだと思って法政経学部に進学しました。学部の授業を受けているうちに、法律の勉強が苦じゃないことに気づき、大学3年の冬あたりから本格的に司法試験受験を意識し、ロースクール入試の勉強を始めました。

日本で一番難しい試験に合格したいという野心が原動力になっていたのも理由の一つです。



勉強法・勉強計画について

──なぜ司法試験予備校を利用しなかったのですか

独学を選んだ理由を語る金子さん


一番の理由は、受講料の高さです。ロースクール進学を考え出したのが大学3年の冬からだったので、今から予備校に入るのは勿体無いと思いました。
当時、教授や周りの学生から「予備校教材はあまり正確な情報が載っていない」という噂を聞いたので、いわゆる基本書と呼ばれる体系的な書籍や判例集で勉強していました。 

──独学のメリット・デメリットを教えてください

メリットは、法律の深い理解が得られることです。

予備校の教材を調べてみると、必要な部分しか取り組まないイメージがあるのですが、判例の原文を見たり基本書を読んだりすると、法律の深い理解が得られます。僕はこれが司法試験に合格する上でも必要な要素だと思います。
実際にロースクール生は、予備校では足りない部分を授業で補っているのではないでしょうか。僕は、予備校での勉強はベースに過ぎないので、予備校+αが必要なら、最初から基本書でやってしまおうという発想でした。
あとは、予備校利用者が知らない部分を知れて、自主ゼミなどでドヤれるくらいでしょうか(笑)。

デメリットは、時間がかかることです。

予備校を利用することは、たしかに効率は良いと思います。特に、独学だと基礎固めに苦労しました。ロースクール入試直前期(大学4年・5月頃)に、『アガルートの司法試験・予備試験合格論証集』(株式会社アガルート/サンクチュアリ出版)を読んだことがありますが、効率のことを考えると、受験勉強をし始める時期は予備校の利用をした方が良さそうだとも思います。そう思ってなお独学を続けたのは、自分で要点をまとめる過程に重要性を見出していたからです。
独学を検討している人は、基礎固めがネックになる勉強法なので、何らかの工夫をして効率よくやったほうがいいでしょう。僕も資金が潤沢だったら、基礎固めは予備校を利用していたと思います。 

──独学で工夫した勉強法はありますか

自主ゼミを積極的に開催しました。
法律の勉強を始めた頃は、自分の勉強法が合っているのか不安で、周りの人と比較して答え合わせをしていました。

自主ゼミは、ロースクールの過去問や司法試験の過去問の答案を書いて、回し読みしていました。これで、自分と違うところを確認できます。最終的にわからないところはロースクールの先生に聞きました。

また、予備校利用者だけでなく独学の人と一緒に自主ゼミを組むことで、予備校教材だけでは気づかない議論が生まれます

特に法律の勉強を始めたばかりの頃は、私の周りの予備校利用者は、教材に書いてある文字通りの理解しかしていない人が多かった印象です。そのような予備校利用者と独学の僕との間で、基本書や判例集で得た知識を元に議論し、予備校ベースの簡潔な表現と基本書ベースの深い理解の双方をバランスよく学びました。これが、後述のまとめノートの作成に活きています。

これらの経験上、独学で司法試験を目指す方は、自主ゼミをする必要が絶対にあると思います。

──独学でおすすめの教材はありますか

あります。科目ごと、以下の表にまとめます。

おすすめ教材(インタビューを元にThe Law School Timesが作成)


 ──勉強計画と、1日のスケジュールを教えてください。

自身の勉強スタイルを語る金子さん


本腰を入れたのは2023年12月です。

独学の悩みは、詳細な解説が載っている基本書の中から必要な部分を見つける必要があったり、基本書は論点ごとに索引が引かれているわけでは無いため知識の確認をするだけでも時間がかかったりすることです。そこで、まとめノートを作成しました。
ロー2年生の秋(2022年9月頃)からコツコツ作り始めていたまとめノートを司法試験本番までに完成させようとしましたが、結局満足行くところまでは完成できませんでした。
しかし、最低限復習できる程度には作れたと思います。司法試験直前までは、どんどん修正しました。

あと、僕は司法試験の過去問を使用して頻出の論点を把握しましたが、みなさんは重要度ランクが掲載されている予備校教材を参照しつつ、頻出論点についてのまとめノートを作成した方が良いのではないかと思います。

 直前期のスケジュールは以下の通りです。

一日のスケジュール(インタビューを元にThe Law School Timesが作成)



受験生へのメッセージ

──司法試験当日はどのように過ごしましたか

まとめノートと論証集を詰め込みました

帰宅後は、疲れ過ぎて勉強する気になれなかったのを覚えています。
帰宅後の1〜2時間本気で勉強するよりも休息を優先した方が良いと考え、ひたすら体を休めるのに注力していました。
司法試験本番は、本当にしんどくてびっくりしました。

──独学で受験する人に一言お願いします

受験生へのメッセージを伝える金子さん

日々の勉強に時間がかかるなど、うまくいかないこともあると思いますが、コツコツと頑張りましょう!

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