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2025年 民事訴訟法 愛知大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2025年 民事訴訟法 愛知大学法科大学院【ロー入試参考答案】

6/16/2025

The Law School Times【ロー入試参考答案】

愛知大学法科大学院2025年 民事訴訟法

小問1
 証明責任とは、ある事実が真偽不明の場合に、判決において、その事実を要件とする自己に有利な法律効果の発生または不発生が認められないことになる一方当事者の不利益をいう。これは客観的証明責任とも言われ、ある事実が真偽不明の場合において、裁判官が従うべき判断原則であり、勝訴するために客観的証明責任を負う主要事実を証明しなければならないという一方当事者の行為責任である主観的証明責任と区別される。
 証明責任の分配基準については、基準として明確であり、また、実体法規は、立法時に証明責任の分配を考慮して立法されていることから、原則として、実体法規の定める要件を基準に、自己に有利な法律効果の発生を定める法規の要件に該当する事実について、各当事者は証明責任を負うと考えられている。

小問2
 法律上の事実推定は、経験則があらかじめ法規化されており、推定がその規定の適用として行われる法律上の推定の一種である。そしてその定義は、実体規定で、ある法律効果の要件事実とされているある事実につき(ここでは「甲事実」とする。)、他の法規において、前提事実たる他の事実があるときは、推定事実たる甲事実があるものと推定する旨定められているものである。その作用としては、法律上の推定がある場合、証明責任を負う者は、要件事実である甲事実を証明しても良いが、通常これより証明の容易な前提事実の証明をもって代えることができ、この意味で証明責任が転換される。もっとも、前提事実を証明しても甲事実は推定されるだけであるので、相手方は甲事実が不存在であることを本証により覆すことができる。
 占有継続の推定(民法186条2項)を例に説明すると、「前後の両時点において占有をし」ていたという前提事実があると、「占有は、その間継続したもの」であるという事実が推定される。占有の継続は、取得時効(162条)等の要件となるが、継続していたことの証明は困難であるため、ある二つの時点の占有という事実のみでその両時点間の占有が継続していたことが推定されると証明の負担が軽減する。もっとも、上述の通り、両時点間の占有の継続が推定されるだけであるので、相手方は、その期間の間で一度でも占有を失ったことを本証により証明すれば、かかる推定は覆される。

以上

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