広告画像
2025年 憲法 東北大学法科大学院【ロー入試参考答案】
後で読むアイコンブックマーク

2025年 憲法 東北大学法科大学院【ロー入試参考答案】

6/26/2025

The Law School Times【ロー入試参考答案】

東北大学法科大学院2025年 憲法

第1問

1. 宗教法人オウム真理教解散命令事件決定は、以下の判断を示したものと解される。

2. まず、宗教的行為の自由は20条1項前段の保障に含まれる。そして、宗教的行為の自由は、信仰の自由と異なり外部的行動を伴う点で一定の制約に服するが、行為の基礎にある内面的な信仰の自由を事実上侵すおそれが多分にあるから、信教の自由の重要性に思いを致し、制約の許否には慎重な吟味が必要である。
 解散命令は、解散命令によって宗教法人が解散しても、信者は、法人格を有しない宗教的団体を存続させ、あるいは、これを新たに結成することが妨げられるわけではない。また、宗教上の行為を行い、その用に供する施設や物品を新たに調えることが妨げられるわけでもないから、解散命令が信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を一切伴わないとして、直接的制約には当たらない。
 一方で、解散命令が確定するとその清算手続きが行われ、その結果、宗教法人に帰属する財産で礼拝施設その他の宗教上の行為の用に供していたものも処分されることになるから、信者らが行っていた宗教活動に何らかの支障が生じることになる。その意味で、宗教的活動に対する間接的制約がある。

3. そして、解散命令制度は、行為の基礎となる信仰それ自体を悪として規制したものではなく、行為のもたらす害悪に着目して規制されたものであるから、専ら宗教法人の世俗的な側面を対象とし、かつ専ら世俗的目的によるものといえる。よって、かかる制度の目的は合理的である。
 一方で、宗教法人の幹部は大量殺人を計画し、多数の信者を動員し計画的、組織的にサリンを生成していたから、法令に違反して著しく公共の福祉を害すると明らかに認められ、宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたことは明らかである。したがって、宗教法人を解散し、その法人格を失わせることは必要かつ適切であり、宗教団体の信者らが、宗教活動を行う上で何らかの支障を生ずることは避けられないとしても、その支障は間接的で事実上のものであるにとどまる。

4. 以上より、解散命令は憲法20条1項に反しない。

第2問⑴
 判例は、「宗教上の組織若しくは団体」を、特定の信仰、礼拝又は普及等の宗教的行為を行うことを本来の目的とする組織ないし団体と限定して解している。

第2問⑵
①当たらない
②当たる
③判断していない

第3問
 司法審査の及ぶ具体的争訟とは、「法律上の争訟」(裁判所法3条1項)と同義であり、①当事者間の具体的法律関係の存否に関する紛争で、②法令の適用により終局的に解決することができるものをいう。
 まず、純然たる信仰の対象の価値又は宗教上の教義に関する判断自体を求める訴えや、単なる宗教上の地位の確認を求める訴えは、具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争ではないから、①を欠き、「法律上の争訟」にあたらない。
 次に、具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争において、宗教上の教義に関する判断が必要不可欠な前提とされている場合には、②を欠くため「法律上の争訟」にはあたらないとして、訴えが却下される。

以上

おすすめ記事

ページタイトル
ロースクール

慶應ロー入試模試昨年度版題販売のお知らせ

ページタイトル
ロースクール

【最新版】ロースクール入試ハンドブック公開!全34校の説明会/出願/試験日程・入試科目・過去問リンクが一冊に!【2026年度入学者向け】

#ロースクール
ページタイトル
キャリア

【80期向け・就活カレンダーあり】企業法務系法律事務所、就活徹底ガイド

#就活