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2024年 民事訴訟法 愛知大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2024年 民事訴訟法 愛知大学法科大学院【ロー入試参考答案】

6/2/2025

The Law School Times【ロー入試参考答案】

愛知大学法科大学院2024年 民事訴訟法

1. 弁論主義とは、判決の基礎となる事実の認定に必要な証拠の収集提出を当事者側の権能かつ責任とする原則をいい、その具体的内容として、裁判所は当事者の主張しない事実を判決の基礎とすることができず(第1テーゼ)、裁判所は、当事者間に争いのない事実はそのまま判決の基礎としなければならず(第2テーゼ)、当事者間に争いのある事実を証拠によって認定する際には、必ず当事者の申し出た証拠によらなければならない(第3テーゼ)。そして、第1テーゼと第2テーゼにおける「事実」とは、当事者意思の尊重と不意打ち防止という弁論主義の根拠・機能からすれば、訴訟の勝敗に直結する主要事実に弁論主義を及ぼせば十分であり、証拠と共通の働きをする間接事実や補助事実に弁論主義を及ぼすと、自由心証主義(247条)を過度に制約することになるから主要事実に限られると考える。
 次に、自由心証主義とは、裁判所が事実認定をするに当たり、証拠方法の選択及び証拠の証明力の評価について、法律上何らの拘束も設けず裁判官の自由な判断にゆだねること(247条)をいう。
 よって、主要事実の認定については弁論主義が適用され、かかる事実の認定に必要な証拠の提出は当事者だけに委ねられることとなる。また、提出された証拠は自由心証主義から裁判官が自由に証明力を判断してよく、弁論の全趣旨などという証拠方法も認められる。

2. 上記をもとに、①証拠制限契約や②間接事実の自白契約は適法であるか。明文を欠く訴訟契約の有効性が問題となる。

⑴弁論主義、処分権主義(246条参照)の妥当する領域では、当事者は主導的地位を与えられており、どのような訴訟行為をするかは自由である。また、合意により受ける不利益が明確に予測できれば、当事者に不測の損害を与えることもなく、裁判を受ける権利(憲法32条)も害されない。
 そこで、弁論主義・処分権主義が妥当し、合意により受ける不利益が明確に予測できる場合には、明文なき訴訟契約も有効と考える。

⑵①について、いかなる証拠を提出するかは弁論主義第3テーゼが妥当する範囲内であるといえ、また、許された証拠以外は証拠とし得ないという合意の効果を明確に予測できるから、適法である。
 次に②について、上述の通り弁論主義第2テーゼにおける事実とは主要事実をさし、間接事実は含まれないため、間接事実の自白については弁論主義の適用範囲外である。また、主要事実を推認させるという意味で証拠と共通の働きをする間接事実に自白の拘束力を及ぼすことは自由心証主義に反する。よって、②は違法である。

以上

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