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2023年 民事訴訟法 神戸大学大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2023年 民事訴訟法 神戸大学大学法科大学院【ロー入試参考答案】

7/22/2024

The Law School Times【ロー入試参考答案】

神戸大学大学法科大学院2023年 民事訴訟法

小問(1)

1. 民事訴訟法261条2項が、訴え取り下げについて、相手方の同意を得なければその効力が生じない場合があるとする理由は、相手方の本案判決を得る利益を保護する点にある。
 すなわち、相手方が本案について準備書面を提出し、弁論準備手続において申述をし、又は口頭弁論をした後においては、相手方にも本案判決を得て訴訟物たる権法律関係が確定する正当な期待が生じる。この期待を保護するため、原告による一方的な訴えの取下げを制限している。

小問(2)

1. まず、訴えの取り下げの訴訟終了効により、本件訴訟は終了する。右終了効は遡及的であり、本件訴訟は初めから係属していなかったものとみなされる(262条1項)。

2. 次に、再訴禁止効により、Xは、本件訴訟と「同一の訴え」を提起できなくなる(262条2項)。この効力は訴えの取り下げが終局判決後になされた場合に限り発生する。また、この場合の「同一の訴え」とは、①当事者②訴訟物及び③訴えの利益を同じくする訴訟をいう。本件ではXは、Yを被告とする所有権に基づき甲建物の明渡しを求める訴えについて、訴えの利益を同じくする限り再度提起できなくなる。

小問(3)

1. 裁判所は訴え却下判決をすべきである。

⑴ 裁判所が訴訟外での和解が有効に成立したとの心証を得た場合は、本件和解で訴えの取下げの合意がされたことにより、Xは本件訴訟の訴えの利益を放棄したことになる。したがって、裁判所は、訴え却下の判決をするべきである。

以上

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