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2025年 民事訴訟法 明治大学法科大学院【ロー入試参考答案】
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2025年 民事訴訟法 明治大学法科大学院【ロー入試参考答案】

5/11/2025

The Law School Times【ロー入試参考答案】

明治大学法科大学院2023年 民事訴訟法

設問1

1. 「当事者尋問において、一方当事者が自己に不利益な事実を認める旨の陳述をしても、裁判上の自白は成立しない」という命題の当否を述べる。
 この命題は偽である。弁論主義のもとで、その事実を前提として裁判が行われるからである。

2. 弁論主義とは、訴訟資料および証拠資料の提出を当事者の権能と責任とする建前である。なお、証拠資料とは、証拠方法から感得されたものである。この建前は、裁判所と当事者の役割分担であることを前提としている。

3. また、自白(179条)とは、口頭弁論または争点整理手続期日において、相手方が主張する自己に不利益な事実を争わない旨の、当事者の弁論としての陳述である。そして、本命題における事実の陳述は、当事者尋問という弁論の期日に、当事者が自己の不利な事実を認める陳述であるため、まさに自白にあたる。

4. 以上より、本命題は偽である。

設問2

1. 裁判所は、「YはXに対し、2000万円の支払を受けるのと引き換えに、甲土地の登記移転手続きをしろ。」という引換給付判決を下すべきである。
 もっとも、このような判決は、当事者が申し立てていない事項について判決をするものであり、処分権主義(246条参照)に違反するのではないか。

2. 処分権主義とは、当事者に訴訟の開始、審判対象の特定やその範囲の限定、さらに判決によらずに終了させる権能をみとめる建前をいう。
 ①原告の意思の尊重、②被告の不意打ち防止の観点から、処分権主義違反を判断する。

3. 本件では、原告は2000万円を未払いなのだから、2000万円を支払ってでも所有権を移転してほしいと考えるのが通常であると言える。よって①を満たす。また、被告にとっても代金2000万円分で登記を移転するのは通常の売買契約締結と同じ帰結になるものであり、不意打ちではないから②も満たす。

4. 以上より、処分権主義には違反しない。したがって、上記のような引換給付判決を下すべきである。

以上

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