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社会人✕司法試験 私にとって司法試験は「自分の道を歩くための挑戦」/ 山本モナさん
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社会人✕司法試験 私にとって司法試験は「自分の道を歩くための挑戦」/ 山本モナさん

2/15/2026

法律家を目指す、すべての人のためのメディア、The Law School Times。「社会人経験者の司法試験に関する情報が知りたい」「社会人が司法試験を目指すのは実際無謀なの?」そういった疑問にお答えするため、テレビ局でアナウンサーや記者として活躍した後、3人のお子さんを育てながらロースクールを卒業し、今年の司法試験に合格した山本モナさんにお話を聞きました。

(ライター:細川 高頌/The Law School Times編集部、編集・写真:晋川陸弥/The Law School Times編集長)

 

◇「自分の道を歩きたい」司法試験への挑戦◇


  ーー最初に、弁護士を目指すまでの経緯を教えてください

3人目の子どもが生まれて、これからの自分の人生について考える時間が増えました。夫は自分の会社を立ち上げ、自分のやりたいことに向けて邁進していて、常に新しいことにチャレンジしていて毎日が楽しそう。子どもには子どもの人生があって、これから輝かしい未来がある。じゃあ自分はどうなんだって。この先まだ自分の人生は続いていくのだから、夫や子どもの人生に乗っかるのではなくて、自立して自分の道を歩みたいと思ったことが大きなきっかけですね。自立するためにもう一度仕事をしたいと考えたときに、子育てと両立しながら自分のペースで働くことができて、在宅勤務もしやすい仕事がいいなと思っていました。そこで、知り合いの弁護士から、弁護士だったらそういう働き方もしやすいよという話を聞いたことを思い出して、司法試験の勉強を始めました。

 

――法学部出身ということですが、大学時代は法曹の道に進むという選択肢はなかったのですか

選択肢の中にはあったのですが、当時はまだ旧司法試験時代でハードルが高かったのと、もともと私の祖父や母親がメディアで働いていて、メディアに興味があったこともあり、最終的にはメディアの道を選びました。あと、大学時代は本当に麻雀しかしていなかったということもあります、、、 

 

――メディアで働いていた当時は、法曹の道に進みたいという思いはありましたか

私は記者として働いていた期間も長く、その時に検察官や弁護士といった、社会課題や紛争に対して当事者(プレイヤー)として関わっている人たちの話しを聞く機会もありました。そこで感じたのは、メディアの仕事はあくまでプレイヤーの人たちから話しを聞いて記事にすることであって、自分自身がプレイヤーになることはできないということです。取材をするなかで、プレイヤーの凄さというのをすごく感じていて、自分もプレイヤーとして仕事をしてみたいという思いは当時からありました。

 

――ロースクールに入るまでと、ロースクールに入ってからのことについて教えてください

2020年から司法試験の予備校に通い始めて、最初は予備試験の対策をしていました。ロースクールの入試を受けるころには勉強を始めてから1年半くらい経っており、予備試験の受験と並行しながら、ちょうど在学中受験が始まるとのことだったので、ロースクールも受験することにしました。社会人経験のある人も一定数はいるだろうと思ってローに入学したら、思った以上に少なくて、周りが学部卒の若い子ばかりでカルチャーショックもありましたね。私は人付き合いがそんなに得意ではなくて、自分から積極的に話しかけにいくことが苦手なので最初は1人で勉強していたのですが、クラスの子たちが積極的に声をかけてくれたので、ロー生活は楽しかったです。

 

◇子育てと勉強の両立◇

 

――勉強時間はどのように確保されていましたか

最初は計画的にこの時間に勉強してってやっていたのですが、子育てをしながらだとなかなかスケジュール通りにいかないことも多かったです。私はスケジュール通りにいかないとそのことがストレスになるタイプなので、途中からは、スケジュールは決めずに、とにかく隙間時間でもなんでもできるときにやる、という方法で勉強していました。

教材は全てiPadで見られるようにして、子どもの塾が終わるのを待っている間の車内で勉強することが多かったですね。

確かに、周りの人の話を聞くと、1日10時間以上勉強しているという人もいたんですけど、子育てをしながらそれだけの勉強時間を確保することは現実的ではないので、勉強ができる時間を大切にしようと思いながら勉強していました。あと、ローの先生に、「モナさん、勉強に喜怒哀楽は持ち込まないようにしましょう」と言われて、たしかに勉強に感情を持ち込むとそれに振り回される時間がもったいないと思い、そこからは勉強には喜怒哀楽を持ち込まずに、淡々と、粛々とやることを心掛けていました。

 

――勉強と子育ての両立で大変だったことはありますか

子どもが起きている間だと、集中力はよくても7割くらい。だから夜に勉強したいのに、子どもが全然寝てくれなくて、イライラして子どもに「寝てよ!」と言ってしまったりとか、怒っちゃったりすることもありました。あとで冷静になって子どもに謝ることも多かったです。

勉強を始めたばかりのころは、自分のやりたいことをやっているのだから、他のことは完璧にしなければ周りから何か言われるかもしれないと思って、自分の中で予防線を張ってしまっていました。だけど、やっぱり全部完璧にはできないし、何か言われたらその都度改善していけばいいやと思うようになって、気持ちが少し楽になりましたね。最初はご飯とかもちゃんと作らなきゃと思っていたんですけど、それよりも家族と一緒に晩ご飯を食べる時間を確保することが大事だなと思って、勉強した帰りにお弁当を買って帰る日があってもいいやと自分の中で割り切れるようになったりとか、そういう風に自分の中の基準を緩めることができるようになってからは、肩の力が抜けたと思います。

 

 

◇勉強時間が「自分でいるための時間」に◇

 

――就職活動はどのように進めたのですか

ロースクールに入った当初は弁護士の就活がどんなものなのか全然分からなくて、ローの先輩から「サマ―クラークっていうのがあって…」とか色々教えてもらって、そこから就職活動を始めました。子育てがあり夜中の対応等ができないため刑事専門の弁護士は難しいなと思い、もともと経済部で記者をしていたのと、MBAも取得していたので、自分には企業法務が合っているのではないかと考えて企業法務系の事務所に絞って就職活動をしました。

 

――司法試験に挑戦したいという社会人にどのようなことを伝えたいですか

もし法曹の世界に興味があるのであれば、周りの声は一度置いておいて、挑戦してみてもいいのではないかと思います。司法試験は絶対に乗り越えられないような高い壁ではないですし、年齢や家庭状況など人によって様々ですが、自分自身にストッパーをかけることはすごくもったいないので、まずはチャレンジして、そこから考えてみてもいいんじゃないかなと思います。

私が司法試験の勉強を始めて思ったのは、勉強している時間って「自分のために使っている」時間なんですよね。社会人になると、家族や子供のため、会社のため、とか、人のために時間を使うことが多くなり、気がつくと自分のためにあまり時間を使っていませんでした。特に子育てをしていると、自分の時間はほとんどないんです。でも、勉強をしている時間は、妻でもなく、母でもなく、私の中で唯一自分でいられる時間だったので、勉強時間がストレス発散にもなって「私が私であるための時間」になっていたと思います。

 

――これから、どのような法曹になっていきたいですか

私は今まで人に頼ることが下手で、自分の弱いところはあまり見せたくないというタイプだったんですけど、ここ10年くらいで肩の力が抜けたなと自分でも思うんです。これから人の相談を受けることも増えると思いますが、そういうときに、この人だったら話してみようかなとか、この人は話しやすいなとか、そういう風に思ってもらえる弁護士になっていきたいですね。自分の弱いところや足りないところも自覚したので、そこを包み隠さずに出していきたいなと思います。

これまで、人種や国籍を超えて様々な立場の人に取材させていただいて、いろいろな思いも聞いてきたし、私自身いろいろな経験もしてきたので、そういった経験は自分の中の引き出しとして強みになっていくと思っています。

 

プロフィール

山本モナ

アナウンサー時代には「熱闘甲子園」や「朝だ!生です旅サラダ」に出演。報道記者としては、「和歌山カレー事件」、「池田小児童殺傷事件」などを担当した。フリーになってからも、情報番組やバラエティー番組などで幅広く活躍。その後、英国国立ウェールズ大学経営大学院に入学し、2011年2月、MBA(経営学修士)を取得した。2022年より早稲田大学大学院法務研究科(既修者コース)に入学し、2024年3月に卒業。2025年司法試験合格。

 

聞き手

細川高頌

横浜国立大学教育人間科学部卒。青年海外協力隊としてトンガ王国で活動後、NHKに入局。青森放送局で災害・防災などの担当を経て、社会部で警視庁捜査1課、旧統一教会を担当。精神科医療問題取材班として、2023年度新聞協会賞などを受賞。2025年3月にNHKを退職し、同年4月より早稲田大学大学院法務研究科(既修者コース)に入学。


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